Tableauにおける「ディメンション」と「メジャー」の違いを完全理解する

Tableauを初めて触ると、必ず目にするのが「ディメンション」と「メジャー」。

この二つをなんとなく理解したまま進めると、いつのまにか集計がズレたり、期待したグラフが作れなかったりと、見えない壁にぶつかります。

この記事では「ディメンション=分類」「メジャー=集計」という曖昧な説明を超えて、初心者でも直感的に理解できる本質的な違いと使い分けを解説します。

目次

ディメンションとメジャーは「視点」と「量」

最初にシンプルに定義しましょう。

要素ディメンションメジャー
意味分けるための軸、カテゴリ数える・合計するための量
自動動作集計しない(グループ化に使う)自動で合計・平均などの集計が入る
都道府県、市町村、カテゴリ、IDなど売上、人口、点数、利益など

ポイント:

  • ディメンションは「どんな切り口でデータを見るか」
  • メジャーは「その切り口ごとに、何を数えるか」

例え:メニュー表とレジの関係で考える

レストランで例えてみましょう。

  • ディメンション=メニュー名やカテゴリ(例:ドリンク、メイン、デザート)
  • メジャー=注文数や売上金額(例:ハンバーグが50個、売上5万円)

分類(ディメンション)ごとに数値(メジャー)を集計して売上分析する……まさにTableauの構造です。

実データで見る:福井県の人口を使った例

パターン①:都道府県単位での表示

都道府県人口
福井県770,000
  • 「都道府県」はディメンション → 分類に使う
  • 「人口」はメジャー → 合計される対象

パターン②:市町村単位に細分化

市町村人口
福井市260,000
坂井市90,000
鯖江市68,000
合計770,000

市町村(ディメンション)ごとに人口(メジャー)が分割され、合計すると都道府県レベルの人口と一致します。

重要なのはここ: ディメンションを細かくすれば、メジャーは自動的に分解・集計されるということ。

感覚で覚える方法:

  • 足し算できるものはメジャー
  • 足し算できない、分けたいものはディメンション

たとえば:

  • ✅「売上」や「利益」→ 合算したい → メジャー
  • ✅「市町村」や「商品カテゴリ」→ グループ分けに使う → ディメンション
  • ❌「福井県」+「鯖江市」→ 意味不明(カテゴリは合算不可)
  • ✅「福井市の人口」+「坂井市の人口」→ 合算できる(数値はOK)

Tableauが自動分類する理由

TableauはCSVなどのデータを読み込んだときに、次のルールで自動分類します:

  • 数値データ(int, floatなど)→ メジャー
  • 文字列、日付 → ディメンション

これは、**人間がどのように使いたいかをあらかじめ予測してくれる「気遣い」**です。

よくある間違い:IDがメジャー扱いされる

例えば顧客IDが「123」「124」「125」……のような形式だと、Tableauは「数字だからメジャー」と誤認します。

でもIDは合算しませんよね? その場合は、手動でディメンションに切り替えましょう。

  • データペインで右クリック → 「ディメンションに変換」

応用例:Tableauの計算式や分析に与える影響

  • ディメンションが増えると、メジャーがより細かく分割される(行数が増える)
  • LOD(Level of Detail)表現の際には、粒度=ディメンションのことを指す
  • フィルターの動作も、ディメンションの選択によって結果が変わる

Tableauでの分析全体は「どんなディメンションで」「どのメジャーを見るか」で設計されていると言っても過言ではありません。

まとめ:ディメンションとメジャーを見分けるコツ

  • 合計・平均など、何かしらの集計が自然に思いつく → メジャー
  • 「どんな切り口で見る?」と考えたときにしっくり来る → ディメンション

分類と集計は分けて考えたほうが、視覚的にも直感的にもわかりやすくなります。

そしてTableauは、こうした「人間の自然な感覚」に寄り添って作られています。安心して、自分の直感に従って使ってみてください。

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