【ネットワーク入門】IPアドレス/サブネットマスク/デフォルトゲートウェイ/DNS/MAC/ARPのしくみと実践

IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNS、MAC、ARP。この6つの基礎を理解すると、ネットワークの仕組みが一気に見えてきます。ここでは専門用語をかみ砕きつつ、Windowsで実際に何が起きているのかを深く解説します。

目次

この記事のゴール

  • 専門用語の意味が直感で理解できる
  • Windowsで何が起きているか追える
  • トラブル時に原因を切り分けられる

登場人物(6つの基礎)

  • IPアドレス:ネット上の住所(例 192.168.1.10)
  • サブネットマスク:どこまでが同じ町かを決める境界のルール(例 255.255.255.0)
  • デフォルトゲートウェイ:町の外へ出る出口。通常は家庭用ルーターのIP
  • DNS:名前(google.com)と住所(IP)を対応させる辞書サーバー
  • MACアドレス:機器に刻まれた物理的番号(世界で一意)
  • ARP:IPからMACを問い合わせる仕組み

サブネットマスクを理解する

サブネットマスクは「IPのどこまでが町名(ネットワーク部)、どこからが番地(ホスト部)」かを決めるルールです。255は固定、0は自由、254や252はビット単位で範囲を広げます。

よく使う例

サブネットマスクCIDR範囲の例使えるアドレス
255.255.255.0/24192.168.1.0〜192.168.1.255約254台
255.255.254.0/23192.168.0.0〜192.168.1.255約510台
255.255.252.0/22192.168.0.0〜192.168.3.255約1022台
255.255.255.128/25192.168.1.0〜192.168.1.127約126台
255.255.255.192/26192.168.1.0〜192.168.1.63約62台
255.255.255.240/28192.168.1.0〜192.168.1.15約14台
255.255.255.252/30192.168.1.0〜192.168.1.3約2台(ルーター間接続)

IPとMACを結びつける理由

アプリはIPアドレスで相手を指定しますが、LANでの実際の配送はMACアドレスで行います。だからIP→MAC変換が必要で、これをARPが担います。

同じサブネットの場合

  1. 宛先IPが同じ町かどうかをサブネットマスクで判定
  2. 同じならARPで「そのIPのMACは誰?」と全員に質問
  3. 該当PCが「私です」とMACを返答
  4. 以後は直接そのMAC宛に通信

違うサブネットの場合

宛先が町の外なら、まずデフォルトゲートウェイのMAC宛に送ります。ルーターが外の世界へ中継してくれます。

デフォルトゲートウェイ

  • 町の外への出口。通常はルーターのLAN側IP
  • ゲートウェイのIPは自分と同じサブネット内でなければ無効
  • 複数のゲートウェイがあるとWindowsは優先度(メトリック)の低い方を使用

DNS

DNSは名前と住所の辞書です。google.comのような名前を通信で使えるIPに変換します。IP直打ちは通るが名前では通らない場合、DNSの不調や設定を疑います。

Windowsの参照順

hosts → DNSキャッシュ → 設定したDNSサーバー

Windowsでの確認方法

  • ipconfig /all:IP、マスク、ゲートウェイ、DNSの確認
  • route print:経路表と既定ルートの確認
  • nslookup www.google.com:DNS解決の確認
  • tracert 8.8.8.8:外部までの経路確認
  • arp -a:IPとMACの対応表

よくあるトラブルと切り分け

インターネットに出られない

  • ゲートウェイにpingして届くか確認
  • IP直打ちで外にpingして届くか確認
  • nslookupで名前解決を確認
  • route printで既定ルートが正しいか確認

固定IPに変えたら通信不可

  • サブネットマスクが誤りで“同じ町”判定がズレている
  • ゲートウェイが別サブネット
  • IPの重複

169.254.x.xになった

DHCPからIPをもらえず自己割り当て(APIPA)になっている。配線、Wi-Fi、ルーターを確認。

まとめ

IPは住所、MACはポスト番号、サブネットマスクは町の境界、ゲートウェイは出口、DNSは辞書、ARPは住所からポスト番号を調べる係。Windowsは「DNSで名前を解決 → 同じ町なら直送 → 違う町はゲートウェイへ」というシンプルなルールで動いています。これを理解しておくと、トラブルの原因を冷静に切り分けられるようになります。

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