Midjourney(ミッドジャーニー)は、テキストを入力するだけで高品質な画像を自動生成できるAIサービスです。2022年7月にオープンベータ版が公開されて以降、SNSを中心に爆発的な人気を集めています。驚くべきはその描画クオリティと速度で、わずか1分ほどで4枚の高精細な画像を提示してくれます。
開発背景と企業情報
Midjourneyを開発・運営するのは、米サンフランシスコを拠点とするMidjourney Inc.。従業員はわずか10名前後ながら、その技術力はトップクラスです。
創業者のDavid Holz(デイヴィッド・ホルツ)氏は、かつてNASAのエンジニアとして勤務し、モーション操作デバイス「Leap Motion」の開発でも知られています。現在のMidjourneyは、完全な自己資金運営というスタートアップ精神の塊でもあります。
Midjourneyの始め方:わずか3ステップ
STEP1:Discordアカウントを作成
MidjourneyはDiscord上で動作する画像生成Botです。まずはDiscordアカウントを作成してください。Googleアカウント連携でも登録できます。
STEP2:Midjourney公式サーバーに参加
Midjourney公式サイトの「Join the Beta」ボタンから、Discordサーバーへアクセスし、招待を承認してください。
STEP3:プロンプトを入力して画像生成
チャット欄に/imagine prompt:
と入力し、その後に任意のキーワードを続けて記入します。ENTERキーを押せば、約1分でAIが4枚の画像を自動生成してくれます。
生成後の操作方法とボタン解説
画像の下には以下の選択ボタンが表示されます:
- U1〜U4:画像を高解像度で再生成(Upscale)
- V1〜V4:構図が似た画像を再生成(Variation)
- 🔄(更新):新たに4枚の画像をランダム生成
画像は左上から時計回りに①②③④と並びます。不要な画像を連打で消費しないよう注意しましょう。
ボタンの意味を図解で確認
[①] [②]
[③] [④]
U1 U2 U3 U4
V1 V2 V3 V4
※ U = アップスケール(高解像度化)、V = バリエーション(類似画像)
Midjourneyでできない・苦手なこと
- 日本語プロンプトは非対応(英語必須)
- 同一人物やキャラの連続再現が難しい
- 意図通りの構図を出すには工夫と熟練が必要
- 商標ロゴ・著名人の顔などの生成は禁止(強化中)
過剰な期待を避け、賢く使いこなすためにも制約を理解しておくことが大切です。
無料プランとその限界
Midjourneyは、現在無料プランを提供していません(2025年1月に終了)。すべての利用には有料契約が必要です。以前は25枚まで無料という枠がありましたが、需要拡大により終了しました。
有料プラン一覧と機能比較
- Basic($10/月):200枚/月まで生成可
- Standard($30/月):生成無制限+専用の非公開部屋
- Pro($60/月〜):高速GPU生成、キュー制限なし、商用利用強化
すべてのプランで商用利用が可能になります。プライバシーや生成速度を重視するなら上位プランが最適です。
著作権と利用規約のリアル
Midjourneyは独自の利用規約を設けており、ユーザーに生成画像の利用権を認めています。
有料ユーザーの権利
有料会員が生成した画像は、商用利用が許可されており、自己の作品として公開・販売することが可能です。ただし、Midjourney社も同一画像を再利用・再表示できるライセンスを保持しています。
無料ユーザー(※旧制度)の制限
過去の無料ユーザーによる生成画像は、Creative Commons BY-NC 4.0ライセンスが適用され、非営利での使用に限られていました。
AI作品と著作権の法的関係
生成された画像に法的な著作権が自動的に発生するわけではありません。現行の著作権法では、人間による創作が対象であり、AIによる自動生成作品には著作権が認められていないのが世界的な共通認識です。
Midjourneyの利用規約では、ユーザーに対して一定の使用権(利用許諾)を与えることで商用利用を可能にしています。
Midjourneyを巡る著作権訴訟
2023年以降、MidjourneyやStable DiffusionなどのAI画像生成企業に対して、著作権侵害を巡る集団訴訟が米国で提起されました。
2024年には一部で証拠開示も進み、AIが学習に使った素材の正当性が争点になっています。著作権法の再定義が求められる、重要な局面に突入しています。
Midjourneyは“誰もがアーティスト”になれる時代の象徴
Midjourneyは、絵の描けない人でもプロレベルのビジュアルを創出できる、まさに“民主化された創造”の象徴です。その一方で、著作権や法的責任、商用利用時のトラブルといった影の部分にも目を向ける必要があります。
使い方を誤らなければ、Midjourneyはあなたの表現力を無限に拡張してくれる強力な味方となるでしょう。
Midjourneyの使用方法や法的観点についてご質問があれば、お気軽にコメントください。最新動向にも随時アップデート対応いたします。
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