Tableau DEGREES関数の使い方|ラジアンを角度に変換する方法と活用例

TableauのDEGREES関数は、ラジアン(rad)という単位の角度を、私たちがなじみのある「度(°)」に変換するための関数です。

「ラジアンって何?」「どう使うの?」という人でもわかるように、数学的な意味と具体的な活用例をセットで解説します。

目次

DEGREES関数とは?

DEGREES(ラジアン値)
  • 引数にラジアン(弧度法)で指定された数値を渡すと、対応する度数法(°)で返してくれます。
  • 読み方は「ディグリーズ」

例:

DEGREES(PI()) → 結果:180
DEGREES(ACOS(-1)) → 結果:180

ラジアンとは?(なじみの角度との関係)

度数(°)ラジアン(π表記)小数表現
0
30°π/6約0.5236
45°π/4約0.7854
90°π/2約1.5708
180°π約3.1416

ラジアンとは、「円の半径と同じ長さの弧がつくる中心角を1ラジアン」とする単位。πラジアン = 180° という関係性にあります。

なぜラジアンを使うのか?

三角関数(SIN, COSなど)は内部的にラジアンを使って計算します。 Tableauでも COS()SIN() に渡す角度はラジアンである必要があるため、人間が扱う「度(°)」からラジアン、あるいはその逆の変換が必要になります。

その変換をしてくれるのが DEGREES()RADIANS() です。

具体的な活用シーン|ラジアンが必要になる場面とは?

1. 円形レイアウトでアイコンや文字を並べたいとき

目的:

12個のアイコンを時計のように円形に配置する

X = COS(INDEX() * 2 * PI() / 12)
Y = SIN(INDEX() * 2 * PI() / 12)
  • ラジアンで計算しないと綺麗な円にならない
  • 角度を等分(360° ÷ 12 = 30°)して、1ステップ = π/6 ラジアンに換算

2. 方位データや角度指定でXY座標を生成したいとき

目的:

角度情報(例:45°)を元に、ベクトルとしてX,Yを作る

X = COS(RADIANS([角度]))
Y = SIN(RADIANS([角度]))

Tableauの三角関数は「ラジアン」しか受け付けないため、RADIANS() で事前変換が必要です。

3. 地図上で方向を描画(進行方向・風向きなど)

目的:

「出発地点から目的地へ向かう方向」を線で表したい

方向角 = 45  // 45° = 北東
X = COS(RADIANS([方向角]))
Y = SIN(RADIANS([方向角]))
  • GPSデータやセンサー値から得た角度をベクトルに変換する際に、ラジアン化が必要

4. 回転アニメーションや視覚効果を入れるとき

目的:

UI上の図形やアイコンを角度に応じて回転させたい

rotation = RADIANS([角度])
X = COS(rotation)
Y = SIN(rotation)

Tableauのダッシュボードでビジュアル演出や方向表現を行う際に、ラジアン変換は基礎中の基礎です。

三角関数と関連関数まとめ

関数名説明
SIN()ラジアンを与えると、その正弦値(Y軸成分)を返す
COS()ラジアンを与えると、その余弦値(X軸成分)を返す
TAN()ラジアンを与えると、接線比(Y/X)を返す
ASIN()-1〜1の範囲の正弦値から、対応するラジアンを返す
ACOS()-1〜1の範囲の余弦値から、対応するラジアンを返す
ATAN()任意の値から、逆接線(ラジアン)を返す
RADIANS()度 → ラジアンへ変換
DEGREES()ラジアン → 度に変換

DEGREES関数とRADIANS関数の違いと使い分け

関数名役割使うタイミング
DEGREES()ラジアン → 度(°)に変換人に見せる角度を出力したいとき
RADIANS()度(°)→ ラジアンに変換SIN/COSなどに角度を渡すとき

まとめ:Tableauで角度を扱うには必須の関数

  • Tableauで回転や方向を扱いたいとき、ラジアンでSIN/COSを使うのが基本
  • でも私たちは「°(度)」の方が感覚的にわかりやすい → その変換に DEGREES()RADIANS() を使う

ラジアンと角度を行き来するための関数、それがDEGREES関数です。

「ラジアンなんて日常で使わない」と思っても、可視化・地図・アニメーションでは必ず出てくる基礎知識です。

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